スタンドアロンアプリケーションとして使用する場合、Vue xStreamとVue Infiniteの機能はまったく同等です。

3D自然景観の作成には、高度や勾配に相対し、あらゆる地形を継ぎ目なくカバーし、遠距離からの視点にもクローズアップにも耐えるディテールを表示することができる、非常に複雑なシェーダーが不可欠です。
Vueには、Digital Natureを実現するために最適化されたこのようなシェーダーシステムが備わっています。 三種類の質感エディタを使い分けることで、シンプルなビットマップのテクスチャから環境に動的に変化する精密なマルチレイヤーの直接生成地形質感まで、あらゆる質感を効率的に作成することができます。
基本質感エディタ
基本質感エディタは、ビットマップテクスチャを簡単に作成し、既存のプロシージャル質感を簡単にカスタマイズできるようにデザインされています。
操作は非常に簡単で、スロットで色、バンプ、アルファを、スライダでハイライトや反射を指定します。 また、8種類のマッピングモードから一つを選ぶことができます。
詳細質感エディタ

詳細質感エディタでは、透明度、減衰色からディスプレースメントマッピング、変動反射、透過率など、あらゆる角度から質感をコントロールすることができます。
合成質感とレイヤー質感
Vueの質感エディタには、質感合成とレイヤー構造を使用した複雑な質感を作成するための高度なコントロールが用意されています。
- レイヤーの追加、削除、名前の変更を即座に実行
- レイヤーの重なりの順序を変更
- 各レイヤーにアルファチャネルを保持
- 高度、傾斜、方向の影響をレイヤー単位で設定可能
- 混合レイヤーの作成にはいくらでもサブ質感を追加可能
- 非常に複雑なレイヤー/混合/入れ子になっている質感でさえ簡単に操作を進めることが可能
バンプ/ディスプレイスメント/法線マッピング
Vueは、複雑な表面のディテールの作成や、ディスプレイスメント使用時の大振幅な変形を生成するために、バンプ/ディスプレイスメント/法線マッピングの各チャネルを装備しています。
マイクロポリゴンディスプレイスメントエンジンは、数百万に及ぶポリゴンをカメラの位置や距離に応じたLOD(Level of Detail)に最適化してレンダリングすることが可能な、自然景観作成のためのテクノロジです。
ディスプレイスメントは垂直・水平・法線のどの方向にも調整が可能で、必要に応じて表面を滑らかに整えるスムージングスライダーを装備しています。 大振幅のディスプレイスメントを使えば、メッシュの破綻などの副作用を心配することなく、非常に強度なディスプレイスメント効果を適用することが可能になります。
サブサーフェススキャタリング
Vue質感は、次の二つのタイプのサブサーフェススキャタリングを正確に実装しています: 吸収(蝋のように透過率の高い半透明素材に適しています)、およびマルチスキャタリング(大理石のように透過率の低い半透明な素材に適しています)
これらの2つの比率の組み合わせにより、 光の半透過性を備えた物質に見られる光を柔らかく反射するような独特な感じを完璧に再現することができます。
ロトスコープ
Vueでは、AVIやQuickTimeのイメージシーケンスアニメーションをテクスチャマップとして扱うことができます。 これらのアニメーション付けされたテクスチャは、ライトジェル、またはSmartGraph関数ノードとしてテクスチャチャネルで使用できます。
SmartGraph関数エディタ
質感エディタのほとんどすべてのパラメータは、関数(または関数の組み合わせ)によってコントロールすることができます。 関数エディタは、質感の編集においてその真価を発揮します。 関数エディタがもたらす無限の可能性を利用するため、e-onは人工知能システムにヒントを得てSmartGraph技術を開発しました。 この技術により、より直観的なノードの接続とカスタムシェーダーの作成が実現したのです。 関数エディタは、ノイズ、直接生成、数学的関数、合成、結合、フィルタなど様々なタイプのノードがあり、その数は数百にも及びます。 ほとんどのノードは、別のあらゆるノードと接続することができます。これにより、非常に複雑な質感やX線、ビロードまたはトゥーンなどのような特殊なシェーダーを作成することが可能になります。 直下のオブジェクトとの距離や入射角を扱うノードなど、環境に対する反応もさらに強化されました。 時間依存ノード時間依存ノード関数を使用することで、質感だけでなく直接生成地形にもアニメーションを付加することができます。 たとえば、Vueには専用の外洋直接生成関数が付属しています。これは調整可能な風パラメータを使って、外洋の波のうねりを簡単に作成できる関数です。 質感を「外部から」コントロールSceneGraphアプローチにより、内部質感のプロパティを、シーン中のオブジェクトの位置といった外部のパラメータに基づいてコントロールすることが可能になりました。 これは、オブジェクトの周囲に泡の縁(リム)作成したり、別の特定のオブジェクトの向きに基づいてある特定のオブジェクトの色を指定したりするのに使えます。 質感エディタからアクセスできる「海面を基準に」オプションを使うと、海水面またはワールド座標の絶対値で指定された特定の高度に出現する質感を作成することができます。 また入力ノードの「海水位」には、関数グラフから直接アクセスすることが可能です。 この外部依存ノードは、オブジェクトの位置とサイズをユーザ定義の実在単位(メートル/フィートなど)で表示することができます。 直下のオブジェクトとの距離やカメラからの距離といった、実在寸法を表示するほかのノードについても同様です。 さらに、実世界でのサイズを「位置」「サイズ」アウトプットにフィードしてやることもできます。 メタノードメタノードとは、複数のノードやリンクを一つのノードにまとめた固まりです。 メタノードを使えば、グラフを関数モジュール単位でまとめて整理でき、また関数グラフにまとめられた関連したパラメータをパブリッシュすることで、グラフの可読性が大幅に向上します。 Vueには、ユーザの皆さんのご参考になるようなメタノードのプリセットライブラリがついてきます。 ほかでも流用できるようにオリジナルメタノードを保存して、このライブラリを完成させてください。 |
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カスタム・インターフェース
Vueの強力なパラメータパブリッシング機能が大幅に拡張され、トップレベルインターフェースの作成が可能になりました。 シンプル化されたハイレベルコントロールを作成し、こうしたコントロールには質感エディタ、地形エディタそしてオブジェクトエディタなどから自由にアクセスが可能です。 これにより、関数エディタを開くことなく関数グラフの能力を利用することができるようになります。 トップレベルパラメータは、パブリッシュ済み質感パラメータを含め、タイムライン経由でアニメーション化が可能です。 この機能は、質感アニメーションに従来考えられなかった自由を与えるでしょう。 |
トップレベルパブリッシング |
周期性ノイズとフラクタル
周期性フラクタルパターン
新しい周期性ノイズ/フラクタルは、たとえば水面のアニメーションエフェクトのループといった空間あるいは時間の中でシームレスに繰り返されるパターンを生成するのに優れたパワーを発揮します。
軸ごとに周期レートのコントロールができるため、本当に素晴らしいパターンを生み出すことができます。
物理学的透明性
自然界には、完全に透明な物質というものは存在しません。 なぜならそれらはパーティクルから作られているからです;光線はこうしたパーティクルと干渉し、媒質の中を伝わります。
Vueは物理学に則った透明性モデルを提供します。これは、透明体を通したボリュメトリックライトの散乱と吸収をシミュレートすることで現象を正確に再現するものです。
これは、たとえばリアルなガラスをシミュレーションする場合などに非常に便利な機能です。
ハイライトの改良
オブジェクト表面のバンプの照明干渉の計算手法の改良により、グローバルイルミネーションと組み合わせたハイライトのレンダリングが、劇的に改善されました。
グローバル質感レイヤー

作成した質感レイヤーを、シーン内で共有することができます。 一旦共有された質感レイヤーは、シーン内の他の質感と簡単に関連付けられるのです。質感レイヤーに加えられた変更は、共有された他の質感にも反映されます。複数の質感の編集が、同時に実行されるのです。
Image Combiner / Sampler ノード
Image Sampler(あるいはMulti-Image Sampler)ノードと組み合わせて使うImage Combinerノードは、複数の投影テクスチャマップを合成して様々な効果を生み出すために使います。たとえば、岩石と砂のテクスチャを組み合わせて、砂嵐の質感を作成する場合などに向いています。
テクスチャ投影マッピングの改良
投影テクスチャマップに対し、ジェネリックな質感マッピングモードとは別個のマッピングモードを選択できるようになりました。これにより非常に複雑な質感作成の幅が広がります。 このパラメータは、Project Animetion Mapノードでも使用することができます。
たとえば一つの質感の中で、カラーチャネル用のある投影テクスチャマップはワールドパラメトリックに設定し、ディスプレイスメント用の別の投影テクスチャマップはオブジェクト標準に設定することが可能です。
ボリュメトリック質感
Vueは、均一/影付き/加算/ボリュームシェード/Hypertextureの5種類の異なったライティングモデルから選択できる、高品質なボリュメトリック質感を提供します。
ボリュームシェードモデルとHyperTextureモデル
ボリュームシェーディングされたモデルは、内部のボリュメトリック色、自己投影、オプションの距離フィールドをサポートしています。
HyperTextureモデルは、腐食した金属やスポンジなどのような多孔性質感や、水しぶきのような多様な特殊効果をつくるのに用いることができるソリッド/ボリュメトリック/のハイブリッドな効果を作成します。