この「メイキング・オブ」は、毎週お一人の Vue コミュニティメンバーにスポットライトを当てるページです。 世界中でたくさんの人々が、Vue の製品ラインを使って素晴らしい作品を紡ぎ出しています。そんな皆さんに作品の作り方を解説してもらい、ノウハウを共有できれば、というのが、このページの狙いです。

一瞬のひらめきは、創作の強い味方です。 人に会う、景色を眺める、物語を読む、見知らぬ土地を旅する、あるいは、人の作品を観賞する。なにげない日常のひとコマから、「新しいもの」を作りたいという火花のような衝動を感じることがあります。 今回のゲスト Giulio Zappone 氏は、Vue で作られたある美しい作品を見たときに、それまでにはなかった、まったく新しいビジョンが浮かんできたそうです。

 

メイキング・オブ・ "Elenisya"(エレニシア) / Giulio Zappone

これは、私の空想世界を作品にした「惑星エレニシア」からの特別ショットです。 エレニシアは、自然と先端技術が融合する近未来の世界。緑の森と摩天楼が共存する世界です。 このシーンがひらめいたのは、私が知るかぎりで最高のVue作品、tigaer氏の「Valis Licentia」 を見たとき。 SF系ではもっとも美しい景観シーンだと思います。

まずは地形を3つ、上の図のように作成・配置してください。 次に、水面を加えます。 私は [波打った水] の質感にしました。深海の荘厳な雰囲気が出ると思ったからです。

次に、地形1の質感エディタを開き、タイプを [合成質感] にして、2番目の質感を [質感レイヤー] コレクションの [草と森] に設定します。

1番目と2番目の両方を EcoSystem 質感にして、1番目には [Long Grass] を、2番目には [Orange Spiky Flowers] を配置します。それぞれの詳しい設定は上の図を参考にしてください。

続いて、地形2にも同じく [草と森] を適用します。

地形をもうひとつ、上の図のように追加してください。これを地形3の下に置き、[草と森] の質感を適用して、EcoSystem 質感にします。 この地形には2種類の樹木を植えましょう。私が選んだのは Large European Ash - Autumn YellowLarge Europen Ash - Spring Bright です。 [密度] タブを開き、[他オブジェクトの近くで減少] の [影響力] を 1% に設定してください。

さて、次は立方体オブジェクトを5つ作成します。ご推察のとおり、これも EcoSystem 質感にします。お手持ちの近未来的な高層ビルをフル活用してください。 EcoSystem ペイントを開き、セイヨウトネリコ系の樹木を2種類追加して、地形3の一部と地形2の全体を覆うようにペイントします。

太陽光は右上に配置して、ボリュメトリック光源を有効にします(上の図の丸で囲んだアイコンをクリック)。 次に、大気エディタで大気を設定します。上の図を参考にしてください。

さらに、HD Lime Trees(または他のセイヨウトネリコ系樹木)を2本、カメラの左側に配置します。地形をまんべんなく緑で覆ったら、上の図のようにレンダリング設定を行ってください。これで、Vue での作業は終わりです。 でも、まだ完成ではありませんよ! 

レンダリング画像を Photoshop で開きます。

画像のクロップや拡大縮小、回転などを行って、画像を仕上げてください。 私は [ぼかし] を使って、カメラの近くと遠くの高層ビルを適度にぼかしました。 こうすれば、地形3の川辺に焦点が定まります。作業が終わったら保存して・・・ようやく完成です。おめでとうございます! 大作ができあがりましたね。

最後まで読んでくださってありがとう。それでは皆さん、お元気で :)

Giulio Zappone