Waves on a Beach
メイキング・オブ "Waves on a Beach"(砂浜に打ち寄せる波) by Marty Dixこの作品のアイデアは、『Landscapes and Pastoral Scenes(景観/田園風景)』という課題に取り組んだときに思いついたものです。荘厳な雰囲気のなかに現代世界のテイストが読み取れるシーンにしたいと思いました。 結果的には荘厳というより親近感のある作品になってしまったのですが、最初の構想は、そうでした。 漠然とイメージしていたのは、タイのライレイビーチです。 海は、無限平面の水面オブジェクトです。メタウォーター質感 [波立つ海岸] を適用して、色を変えています。 水の質感の [バンプ] タブで [ディスプレイスメントマッピング] を有効にし、[水面設定] パネルを下の図のように設定します。波の動きの要素を下げて風の強さと岸辺の泡の量を上げると、長い距離を伝わってきた波が海岸線に到達して砕ける様子をリアルに再現することができます。 水面設定を変更する前に、必ず質感を設定しておいてください。水面設定と質感はリンクしているので、水面に変更を加えるとそれに応じて質感も影響を受けてしまうからです。 次に行ったのは、砂浜の質感設定です。最終的には複雑な合成質感になるのですが、まずはプリセットの [濡れた砂浜] を割り当てます。 質感タイプを [EcoSystem] に変更して、Incredibly Lush の Palm Trees と Ligustrum Japonicum を追加します(スクリーンショットでは、わかりやすくするために名称を変更しています)。 - [濡れた砂浜] の Wet sand color レイヤーの [全体色] を、少し明るめの砂色に変えます。 思いどおりの砂浜が作れたら、水面オブジェクトを上下に動かして、海岸線を基準に高さを調節してください(細かい部分はレンダリングしてみないとわからないので、ある程度は勘が頼りの作業です)。 最後に、EcoSystem を配置します。 ビーチの構成は以上です。 このあと、大気、雲、照明(グローバルラジオシティ)など、水面の色や質感に大きく影響する環境の設定を行うのですが、細かい説明は次の機会にしたいと思います。 参考までに大気エディタで追加した [平たい積雲] ([スペクトラル2] の下)雲レイヤーの設定を、下に示します。 実は、このシーンは最初明け方の日の出の時間帯を想定して作り始めたのですが、あまりに見栄えが悪いのでやめました。 朝焼けのオレンジ色を受けた砂浜が紫がかった色になり、海のアクアマリンの色調と合わなくなってしまったのです。 カラーパレットで色を何度も選び直したり太陽を真上に動かしたりしているうちに砂の色みがほとんど消えて、海水の緑や青とよくマッチするようになりました。 シーンの雰囲気は、照明でがらりと変わるものですね。 |