この「メイキング・オブ」は、毎週お一人の Vue コミュニティメンバーにスポットライトを当てるページです。 世界中でたくさんの人々が、Vue の製品ラインを使って素晴らしい作品を紡ぎ出しています。そんな皆さんに作品の作り方を解説してもらい、ノウハウを共有できれば、というのが、このページの狙いです。

通常、このコーナーで取り上げる Vue アーティストは、謎に満ちた大気エディタや関数エディタにも臆せず飛び込んでいける、という大ベテランから、ある程度の期間 Vue を使っていて、チュートリアルをいくつもクリアし、トライアンドエラーを重ねて美しい景観や宇宙空間の作り方はマスターした、という中級者まで、とにかく経験を積んだ方ばかりです。 しかし、今回ご紹介する Gerard Diepeveen 氏は、なんと新米ユーザー。プログラムの操作方法を覚える過程で、こんなにステキな作品を完成させたというのですから、驚きです!

 

Making of "Good Morning"(牧場の朝) by Gerard Diepeveen

この作品のアイデアは、頭のなかにはありましたが、なにしろ初心者なもので、それを取り出して形にする方法がわかりませんでした。 Vue の使用経験といえば、PLE とトライアルバージョンを少し触ったことがある、という程度です。 頭のなかのイメージは、夜明けを迎えたオランダの牧草地、牛がいて木々や風車がある風景、というものでした。

このシーンは、本当に、取り組み甲斐のあるシーンでした。ハードウェアが貧弱で ... メモリは少なくとも、もう 4GB は必要でしたし、OS は Vista の 32bit 版。 64bit OS ではなく、メモリも少なかったので、動物全般と遠方の木々は、ビルボードに頼らざるを得ませんでした。 動物のビルボードは、本物の写真からアルファチャンネル付きの PNG ファイルを作成しました。 遠方の樹木は、Vue に用意されているプリセットの樹木をアルファチャンネル付きでレンダリングして、それをビルボードに貼り付けました。

図版中の解説:上面表示。選択されているのはビルボードで作成した樹木で、後ろにあるのは風車です。

また、Cornucopia3D の Sow Thistle(アザミ) を使ったビルボードも作成してみました。 大木の手前にアザミが自生している領域を作りたかったのですが、ライティングがうまくいきませんでした。もう少し練習して、Vue のライティングをマスターしたいと思います。

図版中の解説:カメラ表示。

地面の部分は標準の(直接生成ではない)地形を配置し、穏やかな隆起になるように高さをつぶしてから、質感をペイントしました。 前景を引き締めるために、AsileFX の Crack Willow Tree を読み込んでいます。

さらに苦労したのが、朝霧の設定です。 霧って、本当はどうやって作るんですか? 私は、雲をいくつか配置したあと、高さをつぶして薄い層にしたんです。テストレンダリングを繰り返しながら見栄えを調整したので、結構な時間がかかりました。

図版中の解説:側面表示。2つの主要な樹木はAsileFXのCrack WillowをCornucopia3Dで購入。ほかに風車とビルボードの樹木と動物が表示されています。

最終レンダリングの画質は [ユーザー設定] にしました。インターネットで Vue のレンダリング設定について調べていたら、Peggy Walters さんという人が作った資料を発見したので、それを参考にしました。この資料は ここから参照できます(訳注:英語のPDFです)。 下の画像は、Vue のレンダリング結果(未修正)です:

最後に、Photoshop CS4 で後処理をして、完成画像のように仕上げました。やっぱり、シーンのライティングをもっと勉強しなければいけませんね。 ところで、私はアマチュアのフォトグラファーもやっています。こちら に個人サイトがありますので、ぜひ見に来てください。オランダ語のサイトですが、写真は万国共通の言語ですから、きっと写真が語ってくれると思います。

ありがとう!
Gerard Diepeveen, Netherlands.