この「メイキング・オブ」は、毎週お一人の Vue コミュニティメンバーにスポットライトを当てるページです。 世界中でたくさんの人々が、Vue の製品ラインを使って素晴らしい作品を紡ぎ出しています。そんな皆さんに作品の作り方を解説してもらい、ノウハウを共有できれば、というのが、このページの狙いです。

画像にリアルな奥行きをつけるのは、意外に難しいことです。今回のゲスト、Galileo Casone 氏が手掛けたこの美しい作品は、奥行きの表現に構図と照明がいかに大事か、ということをよく表していると思います。写実的なシーンに漂う神秘的なニュアンスは、どのような照明のセットアップから生まれたのでしょうか?

 

メイキング・オブ "The Old Way" by Galileo Casone

この作品は、奥行き感がたっぷりあるドラマティックなシーンを作りたい、という思いからスタートしました。

前景の岩肌の質感づくりには時間をかけました。 部分的に気に入らないところがあったので、EcoSystem で隠そうと設定を変えながらいろいろ試したのですが、結局は手作業で『田園地帯のカエデ』を配置しています。

次に、シーン構成を考えました。自然の風景と、ランドマークとなる遠方の城という、シンプルな構成にしました。 もっとも難しかったのは、大気と照明の設定です。 大気エディタで [スペクトラル大気] を選択し、雲レイヤーに [暗い積雲] を追加して、Vladimir / Ami Chopine 氏のチュートリアル(Geekatplay.com)をお手本に設定を進めましたが、[空気遠近法] と背景は自分なりに工夫しました。

手前の岩と遠くの城という対比を際立たせるために、低高度の領域の [もやの密度] と [霧の密度] を高く設定しています。
 

また、太陽光線にもインパクトをつけたかったので、5 つの雲グループを作成し、高度を下げて水面を這うように配置しました。

照明は入念に作業しました。35 個の点光源を、図のように 2 列に並べています。 1列は太陽光を補強するためのもので、 もう 1 列は、岩の暗い面をライトアップして、その上に生やした EcoSystem を目立たせるためのものです。

遠近感をさらに強調するために、前景に 3 つめの岩を追加し、Bigbraader 氏が無償で提供している草花の EcoSystem を、カメラに映る部分だけに配置しました。


このたびは『Cream of the Crop』 に選出してくださって、ありがとうございました。 本当に嬉しく思います。

Galileo Casone