この「メイキング・オブ」は、毎週お一人の Vue コミュニティメンバーにスポットライトを当てるページです。 世界中でたくさんの人々が、Vue の製品ラインを使って素晴らしい作品を紡ぎ出しています。そんな皆さんに作品の作り方を解説してもらい、ノウハウを共有できれば、というのが、このページの狙いです。

暑い時期こそ熱い食べ物をなどと言いますが、それではこんなビーチはいかがでしょう。EcoSystemを使った、これもまたVueらしい作品です。同じ砂浜とは言っても「Waves on the Beach」とは大違い。Thomas Haag 氏(別名 axolotl 氏)のユニークな発想と、何十種類もの EcoSystem から生まれたこの作品は圧巻です! 灼熱の太陽の下、汗ばんだ人々に囲まれる恐怖のバカンスを体感してください。

 

メイキング・オブ "Naked Beach" by Thomas Haag (axolotl)

 

ありそうでなさそうな避暑地の光景を考えているとき、この『異常に人が多いビーチ』というアイデアが浮かんできました。 最初に作ったのは、広大な砂丘です。 シンプルな山の地形を左右に引き伸ばして作りました。

基本の質感には、Vue の [質感レイヤー] カテゴリーから [平坦な砂] を選択しました。 前景に地面より低い帯状のエリアができるように、カメラと地形の位置を調整して、海を作りました。 いろいろな大気を読み込んでテストレンダーで雰囲気を確認した結果、[スペクトラルサンシャイン] コレクションから [標高の高い空] を使うことにしました。 設定を変えたのは、太陽の位置だけです。 より劇的な効果が出るよう、カメラの左側に動かしました。 水面については、www.bryce-board.de にあった Yoro さんのテクスチャを地面オブジェクトに適用しました(詳しくはサイトをご覧ください)。波打ち際が白く泡立つ水の質感です。 Yoro さん、ありがとう!!!

いよいよ、EcoSystems を使って砂丘(ビーチ)に人の群れを作ります。 まずは、寝そべった姿、座った姿、立ち姿、歩き姿など、Poser 7 でいろいろなポーズをつけた30種類のキャラクター(Poser 4 の男性、女性、少年フィギュア)を用意しました。頭だけのフィギュアも何パターンか作りました。海中の人々です。 そんなにたくさん!?とお思いかもしれませんが、同じモデル、同じポーズの使い回しという印象を避けるためには、これくらいのバリエーションが必要なのです。

EcoSystem 質感を使って、頭だけのモデルを除くすべてのフィギュアを、砂丘に配置します。 水面近くには配置されないように、[他オブジェクトの近くで減少] は必ずオンにしてください。 このエリアには、海に入る人や海から上がってくる人など、立位のフィギュアだけを配置したかったからです。波打ち際に、仰向けに横たわる人がいたらヘンでしょう?

ここまでできたら、EcoSystem ペイントで、砂丘の高いところに Vue のネイティブ植生 [ココナッツツリー] を描き入れます。

次は波打ち際、 立位のフィギュアを配置したいエリアです。 正確に配置したかったので、砂丘オブジェクトを複製し、同じ砂の質感を適用して、水際に EcoSystem ペイントで、立位のフィギュアをペイントしました。 テストレンダーでは、最後に作成した地形(地形4)と地面だけを選択して、[レンダリング設定] の [レンダリング対象] を [選択オブジェクトのみ] に設定しました。

確認が終わったら、再び EcoSystem ペイントを使って、今度は、泳ぐ人々(頭だけの Poser フィギュア)を水面に配置していきます。

このあとテストレンダーを数回行って、カメラの設定とカメラアングルを微調整しました。

最終レンダリング時の設定は、ウルトラ画質、1600 x 730 ピクセル、240 DPI でした。 レンダリング時間はおよそ 6 時間かかりましたが、こんな風にありえないシーンを作るというのは、楽しい作業でした。

Thank You ! Thomas Haag / axolotl