Operation Deliberate Force

     

この「メイキング・オブ」は、毎週お一人の Vue コミュニティメンバーにスポットライトを当てるページです。 世界中でたくさんの人々が、Vue の製品ラインを使って素晴らしい作品を紡ぎ出しています。そんな皆さんに作品の作り方を解説してもらい、ノウハウを共有できれば、というのが、このページの狙いです。

昔も今も、絵画や写真には物語の語り部という一面があります。 その多くは風景にまつわるエピソードを紹介したり、古典的なおとぎ話や神話に新しい解釈を添えたりするものです。 今回のゲスト Cody Jacobs 氏は、Vue を使って近年起こったある紛争を題材に物語を作りました。 作りたい場面について深く考えカメラ設定やアングルなど重要なポイントをおさえることで、動きをつけていないシーンにも躍動感が生まれ、見るものの心に迫る作品ができあがります。

 

メイキング・オブ"Operation Deliberate Force"(デリバリット・フォース作戦) by Cody Jacobs

この『Operation Deliberate Force(デリバリット・フォース作戦)』は、航空オタクの私の情熱が結実した作品です。軍用航空機のシーンを作るときは徹底的にリサーチしたうえで、自分なりの要素を入れ込んで、シーンに命を吹き込むことを心がけています。

まずは、Anders Lejczak 氏が制作した珠玉の軍用機オブジェクト、Dassault Mirage(ダッソー・ミラージュ)を読み込むところから始めました。このシーンは機体が巡航高度を飛んでいるという設定なので、着陸装置は削除しました。

次に、機体と雲景の両方がおさまるワイドスクリーンにするために、レンダリング設定の [縦横比] で [Todd-AO] を選択しました。

そのあと、機体を然るべき高度に配置して大気を設定し、満足したところで、雲に対する機体の位置を微調整しました。

機体の位置が決まったので、次は角度です。左に大きくバンクさせたあと、機首をカメラに向けました。

はじめは機体を真っ向から捉える構図にしようと考えていたのですが、空に広がる一面の雲海も捨てがたくなったので、機体のスピード感と空のスケール感の両方をおさめるためにカメラ自体を傾けました。雲により一層の厚みが出るように、太陽光の設定も調節しています。

大気は [スペクトラル大気] と [グローバルラジオシティ] の組み合わせにして、[光源バランス] は [太陽光] 寄りにしました。

雲レイヤーに [雲の正面] を追加し、[細かさ] と [高度変化] と [雲の量] を中心に設定を調節して、イメージに近づけていきました。

最後に、機体の底面部分が暗くなりすぎてリアルさに欠けてしまっていたので、明るさを補うために球体を 2 個追加し、光源に変換して機体の下に配置しました。

以上です。ご清聴ありがとうございました!

Cody