この「メイキング・オブ」は、毎週お一人の Vue コミュニティメンバーにスポットライトを当てるページです。 世界中でたくさんの人々が、Vue の製品ラインを使って素晴らしい作品を紡ぎ出しています。そんな皆さんに作品の作り方を解説してもらい、ノウハウを共有できれば、というのが、このページの狙いです。

ときには、ありふれた日常的なものが作品のインスピレーションになることもあります。 庭やベランダ、道のほとり、空の片隅、あるいは家のなか。見慣れた景色のどこかに、それはひっそりと佇んでいます。 Jim Grachan 氏は、ロウソクとその炎にインスピレーションを感じ、驚くほどリアルな作品を完成させました。 制作過程を伺ってみましょう。

 

メイキング・オブ "Flames" by Jim Grachan

ステップ 1. 炎のモデリング

ロウソクの炎を忠実に再現してみたいと思った私は、インターネットで火の灯ったロウソクの写真を検索し、 気に入った 1 枚を参考に、炎の部分をモデリングしました。

ステップ 2. 炎の質感設定

リアルな炎を作る鍵は、質感でした。 炎の底の温度の低い部分(炎心)は質感がほとんどわからないようにして、真ん中にもっとも強く質感を反映させ、頂点はわずかにぼかす。これをどうやって作るかを考えました。 そこで、オレンジと黄色の直接生成カラーをベースに、アルファ生成グラフで質感の出方を調整しました。

ステップ 3. 光源

質感にも発光特性は加えましたが、炎が発する熱や光をうまく表現するためには、やはり光源の力を借りる必要がありました。 そこで、炎オブジェクトのすぐ手前に複数の光源を追加し、 内炎の部分がもっとも明るく光って見えるように、真ん中あたりから頂点にかけて配置しました。 合計で 3 つの光源を数珠つなぎに配置することで、発光効果が途切れないようにしました。

ステップ 4. ロウソクのモデリングと質感設定

炎を作り終わったら、次にロウソクと芯のモデリングに取り掛かりました。 ロウソク本体は、メッシュの細かい円柱状オブジェクトをスカルプティングして、てっぺんの真ん中を窪ませたものに、融けて流れるロウの筋と、窪みに溜まった液体のロウを加えた構成です。 芯の部分は、2 本の円柱をねじって作っています。

質感は、本物のロウにできるだけ近くなるように設定しました。 全体色を赤にして、ごくわずかな透明度と強い濁りを加えています。 半透明設定も、テストレンダーの結果を見ながら微調整しました。

ステップ 5. 溶けたロウの作成

融けたロウの筋は、作っている途中で思いついたものです。ちょっと目を引く効果になると思いました。 シンプルなメタブロブを作り、ロウソク本体と同じ質感をつけた上で、より液体の感じが出るように、透明度と反射と光沢を増やしました。 また、ロウソク上部の窪みに溜まった液体のロウを平面オブジェクトで作成して、同じ質感をつけています。

ステップ 6. 最終調整

モデリング、質感設定、光源設定が終わったら、ロウソク一式を必要な数だけ複製しました。 奥行きが出るようにバラバラに配置し、質感の基本色と光源の設定をそれぞれ少しずつ変えました。 後加工の段階でも、芯の色を暗くしたり、いくつかの炎の色を変えたりして、バリエーションを持たせています。

Thanks! Jim Grachan